
リフォーム工事をしようとした時、一番気になるのは金額ですよね。
一体、工事にはいくらかかるのでしょうか?
リフォームの検討では、最終的にリフォーム会社から見積をもらって、自分が立てた予算と比べながら決めていきます。
電気製品や家具などを買うときには、少しでも安く買えるように、「どこが安いか」とネットで調べたり、実際にいくつかのお店に行って店頭価格を調べたりしますね。
でもリフォームの場合は、一つ一つがオーダーメードで定価のない買い物です。
比較しようと思っても実際には同じものでは比較できません。また、見積書にはなんだか難しそうな言葉が並んでいて、いったい何にいくらかかるのかも分かりにくいです。
そこで、できるだけおトクに、納得できるリフォームをするため
・見積もりをもらうときにどこに気をつけたらいいのか
・見積書は何をチェックすればいいのか
といったポイントをあげていきたいと思います。
1.見積もりは3社からを目安に
リフォームを検討しようと決心したら、リフォーム会社を探し、自分の希望を伝えてプランニングをしていきます。
リフォーム会社を選ぶ際には、
ホームプロ
タウンライフ リフォームなどのインターネットのリフォーム見積もり紹介サイトなどを使って、自分が行いたいリフォームの内容を得意そうなリフォーム会社を選ぶのも便利です。大手住宅メーカーの系のリフォーム会社や地元の優良工務店などが多く登録されていますので、自分に合った会社を探しましょう。
リフォーム見積もり一括サイトの選び方については下記の記事にまとめてありますので併せてご覧ください。
【リフォーム業者選び】失敗しない一括見積サイト活用法
いずれにしても、今の住まいをベースに、改善したいところと、キープしたいところを明確にした上で、いくつかのリフォーム会社と打ち合わせに入ります。
その際、面倒でも3社程度をめどに検討を進めていきましょう。
2.会社によって見積もりの仕方が違うことに注意
リフォームは一つ一つがオーダーメードですので、一つの会社からもらった見積もりが妥当なのかどうかを判断することは難しいです。少なくとも3社程度と打ち合わせを進め、見積もりを出してもらいましょう。
それぞれの内容をよく比較検討しながら自分が行いたいと思っているリフォームにはどれくらいのコストがかかるのかを理解し、その上でリフォームをお願いする会社を決めてください。
リフォーム会社によって見積もりの方法は異なります。
【見積もり】定額制と積算型の違い
「定額制」といって決まった内容や、一定の広さの工事の場合、固定額を提示する会社もあります。
このやり方は、簡単におおよその金額を知ることができます。
しかし、工事に含まれている設備や内装材などの仕様は、そのリフォーム会社が決めた標準的な内容になります。その内容でよければ、比較的リーズナブルな価格でできます。
あらかじめ標準プランに含まれる工事内容や設備などの仕様の確認をしっかりすることが大切です。
自分の希望を入れてプランニングを詰めていく過程で内容を変更したり、設備や仕様がグレードアップしたいと思ってもできない場合があります。あらかじめ決まっている内容以外の部分は追加工事になりますので、どこまで工事に含まれているのを十分に確認しておく必要があります。
定額制はキッチセットの交換のみ、とかトイレの便器のみの交換のみといった簡単な工事の場合はお値打ちに工事ができるというメリットがあります。しかし標準プランに含まれていない工事が多い場合は割高になります。
一方、「積算型」といって一つ一つの工事や部材の金額をすべて拾って積み上げていく会社もあります。
例えば
電気コンセント設置の単価がいくらで、
必要な数がいくつなので、
電気コンセント工事は合計いくら、
クローゼットの棚をいくつ作るのでいくら、
畳の撤去は一畳いくらで合計いくら、
といったようにすべて細かく足していきます。
この方法は一見透明でわかりやすいですが、会社によってかなり差があります。
一つの作業の単価は、部材の金額と工事費によって決められています。
それぞれの単価の決め方が会社によって異なるので、金額の差だけでなくどこが違うのかを確認することが大切です。
また、工事費一式と書かれている場合もあります。
一式というのは工事費と材料費のトータルの金額のことです。工事範囲が狭い場合などは個別に見積もりをするよりも一式とした場合のほうが価格が抑えられる場合もあります。しかし、材料や工事内容が不明確になりやすいので、工事内容や詳細を確認しておきましょう。
積算型は簡単な工事では定額制に比べると工事にかかる費用が割高になることが多いです。
しかし、デザインや材料にこだわりがあったりする場合、積算型のほうをおすすめします。
定額制の会社では対応できない場合があります。
対応できる場合でも、定額制の物を変更したり、追加工事がある場合はオプション工事となり割高になりやすいので、工事費と材料費を足していく積算型のほうが良いでしょう。
このようにリフォーム会社によっていろいろな見積もりの方法がありますし、それぞれの方法には一長一短があります。
3社以上の会社から見積もりを取る(合い見積もりといいます)ことをお勧めする理由はここにもあります。
その際にそれぞれの会社が
どんな基準で見積もりを出しているか、
どういった仕様・内容になっているか
を確認するようにしてください。
3.見積書の項目をチエック
見積書に含まれている項目を詳しく見ていきましょう。
リフォームの場合、会社によって区分は少し変わることもありますが、見積書は次のような項目に分かれています。見積書の工事費用にはその工事に使用する部材の金額とその工事にかかる工事費が含まれています。
- 仮設工事: 内部や共用部の養生費用(マンションの場合必要です)
- 解体撤去工事: 既存の設備や壁、床などを撤去し、処分する費用
- 木工事: 壁、天井、床などを作る費用
- 造作工事: 収納や棚などを作る費用
- 建具工事: ドアや引き戸の設置、二重窓(内窓サッシ)工事費用など
- 塗装工事: 造作した棚などの塗装
- 内装仕上げ工事: 壁、天井のクロス、床フローリングなどの貼り工事
- タイル工事: 玄関の床やキッチン前などのタイル工事
- 給排水設備工事: キッチン、トイレ、浴室と配管の設置工事
- 電気工事: 電気やTVの配線、コンセントの取り付けなど
- ガス工事: 給湯器、床暖房や浴室乾燥機などのガス機器の工事
- クリーニング: 工事終了後の部屋や網戸ベランダなどの清掃
- 諸経費: 管理費としている場合もありますがリフォーム会社の利益
- 消費税: すべての金額に消費税がかかります
見積書はおおむね、上記のような項目に分けられています。
リフォーム会社によってそれぞれの項目に含まれている工事内容は少しずつ違うことがあります。
例えば、⑤建具工事に含まれているドアや引き戸などの建具工事は、別の会社では大工さんの仕事として③木工事の中に含まれている場合もあります。
④造作工事といわれる収納や棚を作る工事も、大工さんの仕事として③木工事に含まれている場合もあります。
⑬諸経費の内訳は会社によって違いがあります。
現場管理のために費用としている場合もありますが、多くの会社は工事費用合計の5%とか8%とかに設定しており、実際にはリフォーム会社の経費(利益)です。
また、リフォーム会社によっては現場管理費とは別に数%の詳細プランニングのための設計料がかかるところもあります。
概算見積もりの段階ではかからなくても、現場の寸法に合わせて正確な設計とその図面を作る段階で必要になる費用とされています。
設計士に頼む場合はもちろん必要になります。
都会でのマンションリフォームの時には、工事業者の車両を止めておくための駐車場代金にも注意が必要です。マンション内に外部の人向けの駐車場や駐車スペースがあれば良いのですが、ない場合は近くのコインパーキングなどの駐車代金を請求されます。フルリフォーム等の場合は工期も1カ月以上になりますので、1日2,000円といった格安の駐車料金でも1カ月の工期で実働20日では40,000円と、無視できない額になります。
それぞれの項目に含まれている工事内容や部材をよく確認して、項目は違っても同じ内容のものが入っているかどうか、価格の違いなどを確認するようにしましょう。
見積もりを見て、分からないところがあったり、疑問に思うところがあればリフォーム会社の方に遠慮なく聞いてください。
4.設備と仕様内容を確認
ショールームで仕様を確認
設備と仕様はリフォームの際に重要な要素です。
どんなリフォームになるかはプランと仕様内容によって決まります。
せっかく理想の住まいにしようとするのですから、設備はできるだけ最新の機能が備わっているほうがいいですよね。
壁クロスやドア、床材のなどの内装材も自分の好きなものにしたいですね。
これらの仕様を決める際にはメーカーのショールームに足を運んで実際に自分で確認することをおすすめします。
特に定額制の場合、リフォームに含まれているものはキチンと確認しておかないと、後でこんなはずではなかったという事にもなりかねませんので、十分に気を付けましょう。
水回りの設備機器はトータルで作っている会社が多いので、一度に見ることができます。
TOTO、リクシル、パナソニックなどがあります。
ショールームでは、アドバイザーに相談しながら、設備機器を決めていくこともできます。
一つのメーカーでもその材質や機能によっていろいろな商品がありますので、自分の必要としている機能や好みや予算に合ったデザイン・仕様のものを実際に見て選びましょう。
選んだ設備機器の図面、詳細図や定価での見積もりを作成して送付してくれますのでお願いしましょう。
ショールームではカタログをもらいましょう。実際に見た機種はどれなのか、自分の見積もりに入っているものはどれかをメモしておくといいですね。
ショールームが近くにない場合は、ショールームに電話をして、カタログを送って貰いましょう。
ショールームのオープン時間
ショールームのオープン時間は
10時から17時までで、休館日は水曜日
というところが多いのでは開館時間はぜひ確認してから行ってください。
あらかじめ予約をして行くことをおススメします。
特に土日祝日は混雑しますので、予約は必須です。
ショールームにもっていくべきもの
ショールームに行くときにはリフォームする物件の間取り図を持参しましょう。
正確な寸法が入っていなくてもおおよそどれくらいの大きさの設備を設置することができるのかがわかり、設備を選び見積もりを出す際の参考になります。できれば寸法は正確に測っておくと、実際の機器を決める際に役に立ちます。
内装材も実際に確認を
フローリンングなどの床材や、ドア等の建具の選択も重要です。
建具には合板や集成材なとの上に樹脂シートを貼った普及タイプのものから、、突き板仕上げ、すべてが天然の木材でできている無垢材のものまで様々なタイプのものがあります。
床材も床暖房が可能なフローリングや、遮音性に優れたフローリングなどのほかフローアシートやカーペットなどたくさんの種類があり、それらの値段も様々です。
カタログや写真だけでは実際の色や質感はわからないこともありますので、実際の物やサンプルで確認しましょう。
ショールームではで実際の建材の一部をサンプルとしてもらうことができます。電話やウェブからもサンプル依頼できる会社もあります。
5.見積もり金額について
設備機器の価格
リフォーム会社の見積もりの設備工事費用には設備機器の価格と工事費が含まれます。
一般的には、キッチン・ユニットバスなどの設備機器はリフォーム会社が仕入れて、施工して販売をするという形になります。
ユニットバスやキッチンの見積もり金額はメーカーの決めたカタログの価格(標準価格)ではなく、メーカーの定価から値引きされた価格になっていることが多いです。
チラシに50%offとか書いてあるのを見たことがある方も多いのではないでしょうか
その際の値引き率はリフォーム会社によっても、メーカーやシリーズによってもまちまちです。
あるリフォーム会社はA社の設備は50%引きができるが、B社は30%しかできないとか、同じメーカーのキッチンでも量の出る普及タイプは50%引きだが、高級ラインは20%しか引けないという事があります。
見積書にはメーカーの決めている定価に対して値引きされた額が記載されているのが普通です。参考のために定価を書いたり、値引き率(%)を書いたりする場合もあります。
リフォーム会社によってはメーカーによっては特別な割引ができるものがあったり、値引きのできないのもがあったりします。
メーカーは採用してもらう頻度や量によってリフォーム会社への卸値を変えますので、リフォーム会社の値引き率を高くできるメーカーで選んだほうがおトクです。
ただし、商品の値引き率だけで決めてはいけません。
古いタイプのものを大幅値引きしていたり、工事費が割高になったりする場合もよくあります。やはりここでも内容をしっかり確認しましょう。
内装材の価格
建具や床材などの建材もリフォーム会社を通じて購入することになります。
設備機器と同じように値引き率がメーカーやグレードによって変わります。
リフォーム会社にメーカー別、ライン別の値引き率を確認しながら決めていきましょう。
施主支給
メーカーなどから施主が直接購入した材料などをリフォーム会社等に取り付け工事をしててもらうことを施主支給工事といいます。
一般には、工事のスケジュール管理や部材を破損した場合の補償などを考えて、施主支給を嫌がる会社も多いです。
こだわりの部材を取り付けたいとか、輸入品を使いたいなどの場合、工事費は別途必要ですが工事店によっては対応している場合もありますので担当者に聞いてみて下さい。
見積書例
実際の見積もりを見てみましょう。
浴室の見積もりです。
見積もり例①
見積もり例②
見積もり例①ではユニットバスの定価1,204,000円に対して559,000円と記載されていますので、約54%引きになります。
別の会社からの見積もり例②では同じく1,204,000円が602,000円ですので、50%引きです。
また、①は施工費も高く、また付帯する換気扇ダクト工事も別途見積もられていますが、
②ではそれらは見積もりにはなく、他の項目の中にこれらの工事内容が見当たらなければ、施工費あるいは大工さんの工賃に含まれていると考えてよいでしょう。
このようにユニットバスの工事で見積もりの方法が異なっています。しかし、施工費込みの金額はほぼ同じになっているのがわかります。
トータル金額と予算との差額
それぞれの項目の値段が異なっていても、トータルの金額を見ることが大切です。
値段が安い高いだけではなく、内容にあった価格であるかどうかの判断が大切です。
価格が安い業者が一番いいわけではありません。こちらの希望しているリフォーム内容がきちんと盛り込まれていて、工事内容がきちんとして、適正価格を出しているリフォーム会社を選びましょう。
どんな理由でその価格になったのかをきちんと説明できる会社が安心できます。
希望のリフォームをしようと思うとき、あれも、これもやりたいと思ったら予算を超えてしまう事はよくあることです。
このとき、きちんとしている業者は予算に合った提案をしてくれるはずです。
何でもできますという会社はあまり信用できません。
できることとできないことをはっきりさせて、優先順位を付けて価格の調整をすることも必要です。
値引き
本来適正に見積もりがされていれば、法外な値引きはできません。
ところが、合い見積もりをして他社のほうが安いと言ったとたんに、大幅値引きをして契約を取ろうとするような業者は信用できないといえるでしょう。
値引きを無理に求めて、手抜き工事をされたり、材料が粗悪なものになってしまっては本末転倒です。
予算内でより良い提案をしてくれるようにリフォーム会社さんにお願いしてみて下さい。良いリフォーム会社さんは一緒にいい住まいを作るためにいろいろアドバイスしてくれるはずです。
まとめ
見積書を見る際には、
どんな基準で見積もりを出しているか、どういった仕様・内容になっているかを確認することが最も大切です。
価格が安い業者や値引きの大きい会社が良いではありません。
自分の希望しているリフォーム内容がきちんと盛り込まれていて、工事内容がきちんとして、適正価格を出しているリフォーム会社を選びましょう。
自分の理想的な暮らしを手に入れるためのリフォームです。
リフォームの内容をしっかり確認し、見積書をきちんと理解してリフォーム会社と賢く交渉し、一緒に納得できるリフォームにしましょう。
どんなリフォーム会社にお願いすればいいかお悩みの場合は下記の記事も参考にしてみて下さい。
「中古マンションリフォーム会社選びの7つのポイント」
【リフォーム業者選び】失敗しない一括見積サイト活用法