
いま住んでいる家も、家族構成が変わったり、ライフスタイルが変わったりすると住みにくくなることがありますね。
今まではガマンしてきたけど、お金に少し余裕が出てきたから使い勝手が悪かった所をリフォームしたいというときに、リフォームのことをあれこれと考えるのは、楽しくてワクワクしますね。
でも、実は完成してから後悔する人が少なくないのもリフォームです。
後悔しないリォーム計画で大切なことは、次の3点です。
- リフォームの目的とイメージをはっきり持っておく
- 良心的なリフォーム業者を選ぶ
- 計画にあった有利なリフォームローンを選ぶ
この記事では、3番目のリフォームローンについて、「お金の話は苦手」という方にも分りやすく解説します。
後悔しないリフォーム計画のための計画作りには
【暮らしが劇的に変わる】リフォームを成功させるための5つのステップ
良心的なリフォーム業者を選ぶには
→ 【リフォーム業者選び】失敗しない一括見積サイト活用法
の記事をご覧ください。
1. リフォームローンを利用できるのはどんなとき?
【リフォームローンの用途】
キッチン、リビングのリフォーム |
トイレ、お風呂のリフォーム |
増築・減築 |
太陽光発電パネルの設置 |
バリアフリー化 |
ガレージの建設・改築 |
耐震工事・屋根の軽量化 |
外壁修理・防水工事 |
リフォームにともなう家具や照明の購入 |
庭の改装 |
リフォームローンの利用でいちばん多いのは、
キッチンやリビングのリフォーム、トイレやお風呂のリフォームですが、庭のイメージチェンジやガレージの建設・改修にもリフォームローンが利用できます。
家族が増えたから増築したい、子どもが独立したから減築したい、という場合ももちろんリフォームローンが利用できます。
最近話題になっている、耐震工事にもリフォームローンが利用できます。
耐震工事には補助金を出している自治体も少なくありません。
太陽光発電パネルの設置などのエコ住宅化には、多くの銀行が有利な金利を設定しています。
段差の解消、階段の手すりの設置などのバリアフリー化にもリフォームローンが利用できます。
その他、傷んだ外壁の修理、雨漏りの修繕、リフォームにともなう家具や照明器具の購入などもOKです。
2. リフォームローンの基本の基本
詳しく説明する前に、リフォームローンの基本中の基本について、ざっと見ておきましょう。
Q1. 住宅ローンが残っていてもリフォームローンは組める?
A. はい、組めます。住宅ローンが残っているとリフォームローンの金利が安くなることがあります。
Q. 無担保でもリフォームローンが組める?
A. はい、組めます。リフォームローンのほとんどは無担保型です。
Q. リフォームローンで借りられる金額は?
A. 銀行によって異なりますが、200万円から1,000万円までの金額のところが多いです。
それ以上の金額を借りられるところもあります。
例えば、ろうきん(中央労働金庫)なら 無担保で2,000万円まで借りられます。
Q. リフォームローンの返済期間は?
A. 多いのは10~15年です。もちろんこれより短くてもOK
Q. リフォームローンはどこから借りるの?
A. 銀行、信販会社、住宅支援機構などから借りられます。
Q. リフォームローンの金利は?
A.年2~5%くらいまで、金額や申し込み内容、借りるところにによって大きな幅があります。
用途が自由なローンに比べると低金利ですが、年1%台が常識の住宅ローンよりは高めの金利になります。
Q. リフォームローンの審査はどこを見て決めるの?
A. 収入と申し込んだローンの額、現在あるローンや借金の額のバランスを見て決めます。
仕事の安定度や過去にカードローンなどの返済事故がないことも重要です。 住宅ローン以外に借金がない場合は、審査はすんなり通ることが多いです。
3. 住宅ローンとリフォームローンの違い
リフォームローンを考えている人は、以前に住宅ローンを組んだ経験のある方多いと思います。リフォームローンは住宅ローンと何が違うのでしょう。
住宅ローンとリフォームローンの違いについて表にまとめてみました。
住宅ローン | リフォームローン | |
借入金額 | 1,000万円~5,000万円 | 200万円~2,000万円 |
返済期間 | 最長30~35年 | 最長10~15年 |
金利 | 年1%台 | 年2~5% |
ローン審査 | 比較的厳しく、時間がかかる | 住宅ローンよりゆるく、早い |
担保 | 取得する住宅が担保になる | 無担保のローンが多い |
4. リフォーム費用の目安
だいたいのリフォームプランができたら、2~3社のリフォーム業者に見積もりをとることになりますが、その前に一般的なリフォーム費用について少し知っておきたいですね、そうすればリフォームの総額がわかりますので、借りるべきリフォームローンの金額がわかります。
もちろん、リフォームのグレードや規模によって費用は違うので、ご紹介するのは標準的な費用です。
ローンを組む前の大まかな目安としてご覧ください。
【一般的なリフォーム費用】
リフォーム内容 | 費用 |
キッチン | 80~200万円 |
浴室 | 70~120万円 |
トイレ | 30~60万円 |
リビング | 100~200万円 |
増築・減築 | 300~500万円 |
ガレージ | 50~100万円 |
外壁 | 100~150万円 |
庭や塀のリフォーム | 100~150万円 |
5. リフォームローンの選び方
リフォームローンを決めるときは、
リフォーム業者に金融機関を紹介される
あるいは手続きを含めて業者に任せてしまう
ということが多いのではないでしょうか。
しかし、リフォームローンを業者に丸投げしてしまうと、
「もっと低い金利で借りられたかも」というチャンスを逃してしまう場合があります。
何でも業者に任せると「甘い客」と見られて、リフォーム工事の質にも影響する可能性がないとは言えません。
最終的に業者が紹介してくれる金融機関のリフォームローンを使うにしても、
『リフォームローンが組める金融機関の種類や金利についてある程度知っておくこと』
が大切です。
リフォームローンを用意している金融機関
リフォームローンを用意している金融機関の種類は、大きく分けると次の4つです。
・店舗型の銀行 (都市銀行、地方銀行、信用金庫、JAバンク、労金など)
・ネット銀行(楽天銀行、住信SBIネット銀行、イオン銀行など)
・信販会社(ジャックス、オリコ、セディナなど)
・住宅支援機構(旧住宅金融公庫)
この4つ金融機関ののメリットとデメリットを比較すると、次のようになります。
金融機関 | メリット | デメリット |
店舗型銀行 | ・支店が多い ・担当者と対面で相談できる ・信販会社より金利が低い |
・審査が信販会社より厳しい |
ネット銀行 | ・店舗型銀行より金利が低い ・ネットで申し込みが完結する | ・店舗型銀行より審査が厳しい ・会社によって、借入金の2%の事務手数料がかかる ・パソコンやスマホの操作が必要 ・対面で担当者と相談できない |
信販会社 | ・比較的審査基準がゆるい ・リフォーム業者と提携している会社が多い |
・銀行系より金利が高め ・リフォーム業者に任せきりにすると高い金利になることがある |
住宅金融支援機構 | ・非常に金利が安い(年0.8%) | ・財形貯蓄をしているサラリーマンなど、諸条件がある |
ただし、「審査が厳しい」と「審査がゆるい」と言っても、リフォームローンは申し込みする人に「住宅リフォームを考えるだけのゆとりがある」ケースが多いので、すんなり審査が通ることが多いです。
お金に困っている、つまりローンの返済が滞る可能性が高い人は、ふつうは住宅のリフォームを真剣に考えることはありませんからね。
いくらリフォームローンが借りやすいと言っても、住宅ローンと併用してのリフォームローンを借りる場合は総返済額が多くなりすぎないように気をつけましょう。
6. リフォームローンの金利と返済期間
民間のリフォームローンの金利は最低が年2%と考えておくといいでしょう。
銀行によっては最低1.7%、1.8%を広告しているところもありますが、実際にその金利が適用されないこともあります。
長期にわたる住宅ローンと比べて、借入額が多くなく、返済期間が短いリフォームローンの場合、金利が0.2%程度の差なら総返済額にそれほど大きな差はでません。
しかし、今は超低金利時代です。リフォームローンを申し込んだ金融機関から年5%以上の高い金利を提示されたときは、契約を見送った方が良いでしょう。
他の金融機関に相談すればもっと低金利で借りられる可能性があるかもしれませんし、
そもそもリフォームローンを組むことに少し無理がある場合が考えられるからです。
リフォームローン金利による返済額の違い
リフォームローンの返済総額を見よう
リフォームローンの返済期間は、5年または10年が多く、最長でも15年までです。
標準的なリフォームローンのプランとして、
500万円の借り入れで10年返済の例をみてみます。
金利2%と3%で比較してみます。
金利 | 2% | 3% |
毎月の返済額 | 46,006円 | 48,280円 |
返済総額 | 5,520,756円 | 5,793,580円 |
・金利2%の場合の総返済額―552万円
・金利3%の場合の総返済顎―580万円
となります。
2%で借りられるのに3%で借りると28万円も損をすることになってしまいます。
リフォームローンを組むときは、まず年2%を目標に金融会社を選ぶといいでしょう。
しかし、金利1%の差は、10年間で総額28万円の差となりますが、
月々にすると 2,300円の差です。
これを許容範囲と考えられるなら「2%でなくちゃダメ」というわけではありません。
毎月の支払い額を考えて決めることが大切です。
金融機関の金利一覧 (2017年7月現在)
では実際に、銀行や信販会社で設定している金利を見てみることにしましょう。
借入金は500万円前後で、10年返済の例です。
金融機関名 | 金利 |
【都市銀行】 | |
みずほ銀行 | 4.25% 固定金利 |
三井住友信託銀行 | 2.95% 固定金利 |
三菱東京UFJ銀行 | 1.99~2.875% 変動金利 |
南都銀行 | 1.975~3.875% 変動金利 |
ろうきん(中央労働金庫) | 3.1% 固定金利 |
【ネット銀行】 | |
住信SBIネット銀行 | 3.475~4.475% 変動金利 |
イオン銀行 | 2.45% 固定金利 |
【信販銀行】 | |
ジャックス | 1.9~3.4% 変動金利 |
オリコ | 3.15% 変動金利 |
セディナ | 4.975% 変動金利 |
信販のリフォームローンは、提携しているリフォーム業者を通じて申し込むのが普通です。
業者によってはローンの金利を一部負担する会社もありますが、それが工事代金に含まれると考えると、結局得になるのかどうかは微妙ですね。
上記の表を見ると各社の金利にはかなりの差がありますが、借り入れ条件によっては金利が引き下げられることや、上記よりも高い金利が提示されることもがあるので、単純な比較はできません。
7. リフォームローンの金利を見るときのポイント
リフォームローンでは金利以外に様々な諸費用・手数料がかかります。
登記費用・審査手数料の他、火災保険等への加入を義務付けたりする場合もあります。
金融機関によっては、金利が低くても諸費用がかかる場合があったりします。また、その逆に住宅ローンも利用や、給与振込などの利用状況によって優遇金利を出すところもありますので、トータルで判断することが大切です。
特に次の点については金利に差が出ますので気をつけてみてください。
金利にローンの保証料が含まれているか
ほとんどのリフォームローンには保証料が含まれていますが、なかには別途保証料が必要なローンがあります。
別途保証料が必要な場合は、金利にすると0.3~0.5%ほど高くなります。
団体信用生命保険が付いているか
ほとんどは団体生命保険が付いていますが、なかには別途加入する必要があるローンもあります。
繰り上げ返済の手数料は
お金に余裕があるときに繰り上げ返済すると、返済期間が短くなり、金利負担も少なくなります。
ローンによって繰り上げ返済の手間や手数料が異なるので確認しておきましょう。
優遇金利があるかどうか
リフォームの目的や内容によって金利が割り引かれることがあります。
金利が割り引かれることがあるのは、次の場合です。
・ソーラーパネルの設置などのエコ住宅化
・床の段差解消などのバリアフリー住宅化
・住宅ローンがまだ残っている場合
住宅ローンを組んでいる金融機関でリフォームローンを組むと、金利が低くなる場合があります。
8. 金利の安い住宅金融支援機構を利用できるのはどんな場合?
住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)のリフォームローンは年0.8%と非常に低金利です。
ただし、財形貯蓄を1年以上続けてきた人という条件があります。
財形貯蓄とは、サラリーマンが毎月給料天引きという形で積み立てる貯金です。自分が勤めている会社に申込みします。
財形貯蓄は、貯蓄額が550万円まで利子に税金がかかりません。
財形貯蓄をしていない場合は、1年間リフォームを先に延ばして、まず財形貯蓄を始めるという方法もあります。
興味がある方は、最寄りの支援機構に問い合わせてみてください。
9. リフォームローンの審査では何をチェックするの?
信用情報のチェック
金融機関はローンの申し込みがあると、信用情報機関に申込者の信用情報を問い合わせます。
信用情報とは
・貸金業者や銀行からの借金の残高
・借りたお金の返済の遅延や個人破産などの債務整理の経歴
などの、借金やその返済についての情報です。
信用情報機関のいわゆるブラックリストに載っていると、ローンの審査に通る見込みはありません。
ブラックリストに載るのは、次の場合です。
・過去5年以内に、借金返済の61日間以上の遅延があった
・過去5年以内に、任意整理で債務整理をしている
・過去10年以内に、個人再生または個人破産で債務整理をしている
審査のチェック項目
住宅ローン以外の借入金が年収の1/3を超えている場合は、審査をパスするのは難しくなります。
その他に審査では、次のような項目がチェックされます
・年収
・借金返済率(収入のうち返済にあてられるお金の割合)
・勤務先
・勤続年数
・完済時の年齢(70歳以下なら問題ありません)
年収に比較して申込金額が大きい場合は、審査が通らないことがあります。
申込金額は、他のローンと合わせた毎月の返済額が収入の25%を越えないようにすると、審査が通りやすくなります。
職業では、公務員や大企業に勤めていると有利になる(低い金利を提示される)ということはあるかも知れませんが、もちろん中小企業だから審査に通らないということはありません。金利を決める理由については、金融機関は教えてくれません。
10. リフォームローンが使えない場合はどうする?
リフォームローンを申し込んで、担当者に「大丈夫でしょう」と言われていたのに本審査では落ちてしまった。
珍しくないケースですが、こんなときはどうしたらよいのでしょうか?
担当者に「どうして落ちたの?」と聞いても詳しい返事はもらえません。
微妙なところで審査に落ちるケースで多いのは、収入に対して希望する借入金が大きい場合です。
先ほども触れましたが、毎月の返済額が他のローンと合わせて25%を越えていると、金融機関はすんなりOKを出しにくくなります。
リフォームローンが通らなかった場合の対策
リフォームローンを断られたときの対策としては、次のようなことが考えられます。
自己資金を増やして、借入金を少なくする。
リフォームの着工が少し遅れるかもしれませんが、これがいちばんまともな対策です。
リフォームの内容を見直して、借入金を減らす。
リフォームの夢を膨らませてあれこれとメニューを追加すると工事費が高くなりがちです。どうしてもリフォームしなければいけないときは、現実路線に戻ることも必要です。
審査に通らなかった理由が納得いかない場合は、別の金融会社に申し込む。
ただし、年18%などという消費者金融のフリーローンは絶対に利用すべきではありません。リフォームしてお家の使い勝手が良くなっても、ローンの金利支払いで苦労するのではハッピーとは言えませんからね。
11. おすすめリフォームローン
どの会社のリフォームも一長一短がありますが、検討材料としておすすめリフォームローンと、おすすめの理由をご紹介します。
【イオン銀行】
おすすめの理由
・金利が固定金利で年2.45%と低め
・返済期間10年以内で500万円まで借りられる
・事務手数料が不要
・保証料が返済金利に含まれている
・お金に余裕ができたら手数料無料で増額返済できる
【ろうきん(中央労働金庫)】
おすすめの理由
・金利が固定金利でも年2.3%と低め
・企業の労働組合に加入していれば年2.1%とさらに有利
・最大2000万円、返済期間最大20年と融資幅が大きい
・保証料無料
・繰り上げ返済の手数料が無料
・団体信用生命保険が付いている
この他、各地方の地方銀行は、金利が低めで対応が親切など、申し込みやすいリフォームローンを用意しているところが少なくありません。
まとめ
リフォームはお金がたまってからと考えている人も、リフォームローンを利用すれば何年か早く使い勝手の良い家に住むことが可能になります。
とくに預金金利がほぼゼロで、お金を借りる利息も低くなっている今は、リフォームローンを組むチャンスです。リフォームローンは住宅ローンより金利は高くなりますが、そのぶん手続きや審査はずっと簡単です。
大切なことは、できるだけ金利が低いリフォームローンを無理のない返済計画を立てて上手に利用することです。
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